天領酒造は、近江日野商人を祖とし、飛騨・萩原宿の地で340年以上にわたり酒造りを続けてまいりました。
今日まで酒造りを続けてこられましたのは、地域の皆様、お客様、お取引先の皆様、そして飛騨の豊かな自然に支えられてきたおかげです。
これまでご縁をいただいたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
私が家業を受け継いでから、折に触れて思い返す言葉があります。
「与えられた環境で最善を尽くせ」
この言葉は、先々代から受け継いだ教えです。
社会情勢や気候変動、原料価格の高騰など、酒造りを取り巻く環境は大きく変化しています。
しかし、どのような時代であっても、目の前の現実と真摯に向き合い、その環境の中で最善を尽くすこと。
その積み重ねこそが、340年以上受け継がれてきた天領酒造の精神であり、未来へつないでいくべき
私たちの使命であると考えています。
私たちが大切にしているのは、「報恩感謝」と「不易流行」の心です。
支えてくださるすべての方々への感謝を忘れず、そのご恩に酒造りを通してお応えすること。
そして、変えてはならない本質を守りながら、時代に合わせて新たな価値を創造し続けること。
飛騨の風土が育む酒米、御嶽山の伏流水、先人たちから受け継いだ技を礎に、醸造技術を磨き、
酒造りの環境を整え、三季醸造への挑戦や新たなブランドを育みながら、日本酒文化の魅力を国内外へ発信する取り組みに力を注いでいます。
私たちにとって酒造りとは、人づくりであり、まちづくりでもあります。
地域の農業を守り、人と人とのつながりを育み、日本酒文化を未来へ受け継いでいくこと。
その一杯のお酒が、人を笑顔にし、地域を元気にし、日本の文化を未来へつないでいく力になると信じています。
酒をつくり、まちをつくり、人をつくる。
340年以上受け継がれてきたこの酒蔵を、次の世代へ誇りをもって引き継ぐこと。
それが、今を担う私たちの責任であり、使命です。
報恩感謝の心を胸に、地域とともに歩み、日本酒の新たな可能性を国内外へ広げながら、
次の100年、その先の未来へ続く酒蔵を目指してまいります。
これからも、一滴一滴に飛騨の風土と人々の想いを込め、皆様の暮らしに寄り添い、
心を豊かにする酒を醸し続けてまいります。
今後とも、変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
天領酒造株式会社
代表取締役社長・第九代蔵元
上野田 又輔